歯は全体のバランスから成り立っているので、たった一本の欠損でもそのままにしておくことで様々な悪影響が出ます。そもそも、人間にとって「食べる」というのは何よりも大切な事ですし「食べる」ためには歯が欠かせません。また「食べる」こと以外にも実は体全体に様々な悪影響を及ぼします。

歯を抜けたままにしておくと、こんなデメリットが・・・

抜けたままにしておくと、次のようなデメリットがあります。

機能面での悪影響

  1. 抜けた歯と噛み合わせの反対側の歯は、噛み合う歯がないので徐々に伸びてしまいます。
  2. 抜けた歯の両隣の歯が、歯がない方向に徐々に傾いてきます。また長い期間そのままにしていると、さらに隣の歯も同じように傾いていきます。
  3. 上記の症状になると歯間の隙間が広がり噛み合わせが狂ってくるので、虫歯や歯周病の原因となる細菌の集合体「プラーク」がたまり虫歯や歯周病が出来やすい口内環境になってしまいます。また、失った本数が多い場合にはうまく噛めないので、もう片方の歯でばかり噛み、噛み合わせのバランスが崩れは顎関節症の原因にもなります。

審美面での悪影響

  1. 見た目が悪くなります。いわゆる歯抜けは、人前で口を開けたり笑顔を見せることに抵抗感を与え、コミュニケーションが阻害されたり、表情が暗くなりがちです。
  2. 歯を失うと歯肉が小さくなり、歯ぐきの位置が下がってきます。歯肉の中にある骨の量が少なくなるために歯肉が小さくなったように見えるのです。
  3. 顔の輪郭が変化してきます。例えば奥歯を失うと頬のラインや顎のラインが内側に寄ります。歯を失い時間が経過すると歯肉が痩せるため、さらに頬がこけて見えたり顎がたるんで見えたりします。また、前歯の場合は口元にシワが寄りやすくなります。

生活面での悪影響

  1. 上手く噛み切れない・噛み砕けない状態が続くと、消化しにくい状態で食物が胃腸に送られることになり、胃や腸への負担が増加します。また、咀嚼が十分でないと唾液の分泌が不足するので、消化の妨げになります。唾液は口の中をきれいにする自浄作用もありますので唾液の不足は口臭の原因にもなります。
  2. 歯が無い部分から息が漏れ、発音が不明瞭になります。
  3. 口の中は味覚・触覚・嗅覚が発達した繊細な器官ですので、歯を失ったことによる咀嚼などの変化が脳への刺激減少となります。「よく噛むこと」は脳の老化防止へとつながります。